ひょんなことから鬼ヨメ友人二名を大台ケ原に案内することになった。

それは先週の我家でのホームパーティの席で、最近ヤマに凝っている我家に

ぜひとも連れてって欲しいとのリクエストがあったからだ。皆酔っ払っててたので覚えて無いと思っていたが・・・

『お父ちゃん、Ｍから（日曜日大台ケ原行きますか？）てワケわからんメール着てる・・・』

『ワケわからんじゃなくて、お前約束したやろ先週の飲み会で』

『知らんでぇ？・・・』

（知らんでぇや無いやろ！任せてや！って断言したのは誰やねん!?ったくぅ酔っぱらいめーっ）

防寒対策、カッパ、手袋を必ず持って来るようにと、念を押す。

そして紅葉なんてもう完全に末期であることを強く押すが、二人の友人はそれでも行きたいと・・・

はぁ〜っ仕方ない！ガイドしてやろう。

09時30分：駐車場から出発

二人のゲストは大台ヶ原ドライブウェィに車が入ると、道路のワインディングな様に悲鳴を上げる。そ

して車が伯母峰峠の大台口トンネルを抜けた時、鬼ヨメが呟く・・・

『お父ちゃん、雪降ってんちゃう？』

『雪？お前な、いくら寒いってもまだ11月2週やで？見間違いやて』

『んじゃフロントガラスに白い塊が当たってんの何やの？』

『きっとアラレやて』

『でも見てみ〜樹が白ぅなってるでー』

何と！霧氷だ。憧れの霧氷だ！何とラッキーな偶然なのか。あまりの嬉しさに運転中にも関わらず小躍りしそうになった。

『ほら、やっぱり雪やろ』

『いや、正確には雪じゃなくて、霧が固まる現象やったと思う。触ったら人工スキー場の雪みたいなもんかなぁ？』

ゲスト二人も目的の紅葉を忘れて霧氷に歓声を上げる

つい一ヶ月前に大普賢岳で水太林道へエスケープを誘導してくれた（山の神様）が言ってた

通りだ、大台ケ原にもこうして霧氷が見れるのだ！

紅葉あるやろかぁ？ないないっ！

ビジターセンター駐車場はガスに煙り視界２Ｍほど・・・しかも強風だ。ガスが突風で消えたり現れたりを繰り返す。

センター前の温度計は０度だ（さっぶーっ）ここで、センターが貸してくれるストック（木製の杖だ）を借りるよう

ゲストに言うが、『そんなのーっいらんでしょーっ！』

『この天候だと滑りやすいから、持ってた方がいいって、邪魔にならないし』

しぶしぶ従う二人のゲスト

ちなみにこのストック、我が家は06年06月に初めて大台ケ原を訪れた際、雨の中急いで

駐車場に戻ったお陰で車中に乗せたまま帰路に着いた。

帰宅してからと言うもの『このままやったらドロボーやんなぁお父ちゃん！』と

鬼ヨメは繰り返し私のせいにするのだった（いっつも私のせいかいっ！）

＊同年08月にちゃんと（こそっと）お返ししたのだ。

怖いもの知らずのオバハン三人衆は、この突風、ガス、アラレの中

『紅葉きれいやろかぁ？』

んなもんあるかいっ！この状況でもまだ分からんか？

『んじゃ用意できたら行くよ！クマに会った笑顔でウィンクね！かわいくなかったら食べられるよーっ、

ここからトイレないから覚悟して！』

（ゲスト達に軽いジャブを打つ）

『あ。あたしどこでもトイレできるから心配ないですぅぅ〜』

（・・・さすが大酒飲みのＭ、言うことが違う。マジで言ってるところが怖い）

偶然がくれたプレゼント、素晴らしい眺めだ！

残念ながら展望台は視界ゼロ・・・轟音と共に襲ってくる突風に立っていられない

鬼ヨメはタオルの頬っかむり姿になる（カッコ悪ぅ）

残念ながら日出ヶ岳をあきらめ正木峠に向かうとそこは一面霧氷に覆われていた。

ゲレンデで見る樹氷とは違うな。この正木峠の霧氷は素晴らしい！

このような素晴らしく幻想的な風景が続くが、このあたりでデジカメのバッテリー切れとなる。

まるでゲレンデ状態だ、切れるの早すぎる！カイロで温めると復帰すると聞いたことがあるので試してみた。

正木が原に向かう辺りから樹に遮られ突風がマシになってきた。カイロのおかげでバッテリーも復旧した、たいしたもんだなカイロ！

まるで三色妖怪の雪祭り？

11時05分：牛石ヶ原

初めての霧氷に心を奪われる大根ドロボー

ネックウォーマーをゲストに貸した鬼ヨメはタオルで頬っかむり・・・

『お前は大根ドロボーか！？』

二色妖怪はガイドブックを手に、どの辺りか探してるかと思いきや、携帯電話で競馬

馬券の予約・・・君たちは何しに来たんだ？うん？

三色のレディ達は幻想的な風景の中で年甲斐も無く完全にハイな状態に・・・ちょっと場違いかな？

『お父ちゃーん、どこまで行くのん、だいじゃぐらぁー？』

（行けるかよこのコンディションで）

『いや、途中で引き返そう、天気もヤバそうだし』

『Ａさんがあの、何とか天皇の銅像だけでも見たいて言うてるぅ〜っ』

（はいはい、って、何でまた神武天皇!?何の思い入れがあるのやら・・・）

結局、牛石ヶ原の神武天皇像から折り返し。Ａさん何故か神武天皇に手を合わせる？何のご利益があるのやら・・

駐車場に引き返す途中、凍て付いた路面に足を滑らしたAさんの悲鳴！

『ねっ、ストックあって良かったでしょ？』

『はっ。はぃぃぃーっ』

例え観光地化されててもヤマを舐めてはいけない！

あ。大根ドロボー！

12時05分：駐車場

震える身体を押さえて！はいチーズ！

下山時のドライブウェイ

帰りのドライブウェイも霧氷が続く。車内は沈黙、未だ霧氷に心を奪われているのか？と思いきや

Ｚｕｕｕｕ、Ｇｕｕｕｕ、レディ達のイビキが響く中、私独り運転しながらも霧氷を満喫！

ガイド役は疲れるなー。

冬シーズンはスキー行きまくる我家、ヤマは当分お休み？と思っていたが、今回の霧氷で完全にまいってしまった！

軽アイゼン買って明神平か？いやいや先ずは金剛山か？と独りワクワク・・・またヤマにはまったなぁ。