山

台高山系赤ゾレ山

山行きの日

2009年11月03（火）

目的

木屋谷から国見山直登・・・だった

コース

林道終点(09:00)−馬駆ヶ場(10:30)−赤ゾレ山(11:20)

馬駆ヶ場(11:40−12:10)−林道終点(13:10)

メンバー

単独

 

以前から歩きたかった、木屋谷から国見山への直登

紅葉の残る晩秋のボンサイ平から国見山、赤ゾレ、馬駆ヶ場を周回する未踏のルート

もちろん、縦走路までは道なんて無い、でも私が愛読しているサイトを参考にすると踏み跡もテープもあるようだ

さぁ行こう！

 

■09時00分：林道終点から

 

天気予報では寒気団の襲来で、この秋一番の冷え込み！うーんん、これは山頂では

ちょっとした霧氷は見えるかも、ってな淡い期待を抱きながら飯高へ進む

高見トンネルまでは、重い暗雲がたちこめて高見山の状態は不明

それがトンネルを過ぎ、ループ橋をカーブする頃、一瞬目に入ったのは冠雪の山だった

こっ、これは！？逸る気持ちを抑えながら林道をノロノロ行く

 

 

万台橋を過ぎるのは初めてだったが、予想よりも路面はしっかりしていた・・・が、終点には届かず

道が盛り上がった場所から100Mほど引き返し駐車、車窓から見える光景に唖然とする

なんと！これで晴れたら三段紅葉じゃないか

なんてハイになってるバヤイじゃない、これじゃ踏み跡なんて分からないぞ

 

 

車の温度計は２度を指していたが、外へ出ると寒さはそうでもない

準備をして歩き始めると小雪が舞い始めた

 

 

これが奥山谷だろう、相変わらず中腹より上はガス

それでも山水画のような世界に見とれてしまう

さぁ晴れるぞ、晴れるぞ、って何の根拠もナッシングなのだが

 

 

30分も歩くと終点だった、そこにはネットで何度も見た遭難碑

どこで、どんな状況だったのか知る由もない、名前は女性、享年25歳と記されている

なんだか急に寂しくなって、思わず手を合わせた

 

 

ここから踏み跡がいきなり不明・・・おいおい！って落ち着いてマップと照らし合わせると

沢を越えた目の前の尾根を登って行くに違いない

良く見直すと、雪と落ち葉に隠れてるが踏み跡っぽいものが高巻きしていた

取り付きからこれか・・・直登なんてムリだな

 

 

狙いをつけた尾根の中心を外さないように歩くと、直ぐにテープ

さて、どーするかなぁ、このまま登ると間違いなく馬駆ヶ場だ・・・国見山への直登も捨てがたいな

ってことで奥山谷方向へずるずるトラバースの悪あがき（笑

 

 

しかし、一つ谷を越えた辺りであっさり断念

唯でさえ何重にもなった落ち葉の絨毯に10cmの積雪

おまけにガスの晴れる気配なし・・・さ、ここから直登しよか

 

 

テープのあった尾根から谷を挟んだ南側をガスに煙る中直登する

ずるずる滑りながらの直登で、二度ほどすっ転ぶ、こりゃ最初の尾根を行くべきだったな

谷を越えて15分、方角を決めて直登して行くとフラットになったところに熊檻だ

 

 

檻から15分直登して行くと、突然林道に飛び出した

下山のことを考えてストックで雪に大きく→の印を残しておく

林道は西へ進むとすぐに道は無くなり、木梶との分岐だ

 

 

さぁ、ここからは歩きなれた庭園

やっほーっ

今シーズン初の霧氷に独り嬌声を上げた

 

 

どこかから、同じような嬌声が飛んでくる

初雪だ、誰もが喜ぶだろうな

 

 

１０ｃｍ足らずの積雪が馬駆ヶ場を埋め尽くし、こんなに霧氷が着いてても寒くない

 

 

ハイな私を諌めるように立ち込めるガスがどんどん濃くなってゆく･･･

まったく晴れる気配の無いガスに、庭園の景色さえ煙るほどだ

こりゃ国見登っても展望もないし、登る予定だったルートもワケ分からないだろうな

って、未だ未練たらしくルートに拘りながらも赤ゾレに向かう

 

■11時20分：赤ゾレ山

 

小池の周りでは意外と霧氷が薄い、風が通らなかったのだろうか

ぼーっと立ち尽くしてるとヒトの気配

『すみませーん、明神平はどっちですか？』

池の向こうから現れた身軽な単独男性から声をかけられた

 

 

こんな場所で雪の中、明神平の行き先が分からない？大丈夫なの？

心配になって話を聞くと、8時に高見山バス停を出発、行き先は薊岳から大又へ下るとのこと

高見のバス停から３時間そこらで赤ゾレってこと？そんな健脚なら心配ないか

それでも、このコンディションだ、薊は止めて明神平からの下山を強く勧めて分かれた

 

− 紅葉のクリスマス・ツリー −

 

赤ゾレのピークにも上がっても、ガスガスでカメラを出す気にもなれない

あーぁ、もう、なんだかなぁ、今日は帰ろうか

初雪のヤマ、いつもなら弾けてしまうシュチュエーションなのに

私のモチベーションをここまで下げてしまう憎いガス

 

− 縦走路から木梶方向のブナ林 −

 

少し空が明るくなって、私のお気に入りの場所は一瞬だけその美しさを見せてくれた

 

 

もしかすると晴れるのか？縦走路から国見方向を見上げる・・・やっぱ帰ろ

霧氷の森を包み込んだガスは延々と続く

 

 

日本庭園まで戻ってランチ、座り込んでるとさすがに冷えてきてダウンを着込む

 

 

こんな時間に木梶方向からやって来たオヤジ二人、『こんな雪とは思いませんでしたね〜』

嬉しそうに話しかける後姿、なんとスノーシューを担いでた（笑

きっとムダな荷物になったことだろう

 

 

下山しながら、なんとなくそんな予感もあったのだが・・・

 

 

テープのある尾根をズルズル滑りながら下ってゆくと

 

■13時10分：林道終点

 

国見方向のガスが晴れ始めた

やってしまった！

『カッパを着ると雨は止む』、『下山するとガスは晴れる』

この二つのイヤな法則は常に付きまとうのだ

 

 

あぁ、今頃ピークでは一瞬の輝きに歓声が上がってるだろうなぁ

林道を下りながらも、早く下山し過ぎた自分を呪う（笑

 

 

美しい、こうして見てるとガスに煙る姿も美しい

 

 

カーブの大きな落石に座ってコーヒーを沸かし

まったりと、消えては現れるガスに煙る姿を眺める

 

 

初めて歩く木屋谷からのルートは、一足早くやって来た初雪が

その美しさを隠したり、強調したり

なんだか歩き足りなく、欲求不満の残る私を林道からの風景が慰めてくれた

さ、本格的に雪になる前にも一度来るぞ！

 

 

 

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