ほんの７〜８分の船旅を終え対岸に取り付く

単独さんとは一旦別れ、ここでランチとしよう

船着場に腰を下ろして柿の葉寿司を食べながら空を見上げる

夏雲の向こうには、五色ヶ原の雪渓が白く輝いている

単独さんは３０年前に、あの五色ヶ原から平ノ小屋に下って１泊したことがあるそうだ

もう記憶は定かではないが、平ノ小屋はもっと小さく粗末なカンジがしたと

そしてダムまでのアップダウンは、今のように木組みのハシゴはなくて

何度も激降っては、木を掴んで上り返したと、遠い目で語ってくれた

素晴らしい展望に、贅沢なランチタイム、さぁ行こう

この対岸沿いのルートもブナの原生林で、素晴らしいトレイルだと聞いていた

それを楽しみにしていたのだが・・・、やはり出てきたか、ハシゴ地獄め

おいおい、ギシギシ云ってるよ、尖った針金むき出しだし

平ノ小屋までのルートよりもブナは大きく、そしてどこまでもブナの森が延々と続く

この炎天下、陽射しを避けて森の下を歩けるのは嬉しい限りだ

一本、一本がとてつもなく巨大なブナたち

しん、とした森はブナの声が聞こえてきそうな・・・

トレイルはこれまでと同じようにダム湖沿いに進む

やはりアップダウンの連続だ

予定よりも一便早く渡れたのだ、ゆっくり行こう

少しずつ濁った湖が澄んで行くのが分かる