雪渓の残る谷を登り返すとき、入り組んだ入り江を振り返ると

かすかにブナ林の中に単独男性が歩いて来るのが見えた

なんと、これで私を入れて３人だ

嬉しいような、それでいて少し残念なような

マップで確認したよりも支流が多く入り江状になる、これがダムから９キロもかかる原因か？

中ノ谷と思われるところをハシゴで上り返したところ、やっと先行の単独さんに追いついた

どう見ても50代半ば、私よりも大先輩なのだが、なんと健脚だろう

お互い、どうにか10時の渡し船に乗れそうで少しペースを落とす

ハシゴの高巻きからダムを振り返る

濁ったダム湖を挟み込むように黒部の山が連なる姿に、奥深さを感じる

右手に見えるのは、赤沢、鳴沢辺りだろうか、いい展望だな

ほぼ水平に歩くものと思っていたが連続するアップダウン、ハシゴに疲れきった私を癒してくれる

と、見とれていると何やら音楽が聞こえる・・・！？

あれだな？遊覧船だ、こんなところまで来るのか

だったら平ノ小屋まで来てくれたらいいのにな

よく見ると私に手を振ってる人が見える

ヘロヘロになってアップダウンを繰り返すと、もう針ノ木岳が目の前に見える

この入り江を越えると小屋だ、さぁ、ラストスパートだ

先行の単独さんと船着場に着いたのは09時40分、ちょっとハイペース過ぎたか

小屋は少し離れてるので、私が二人の乗船を伝えに行く