CT３．５Hのところ２時間５０分で辿り着いた平ノ小屋

なんとも可愛らしい小屋だ、ここは釣り客も多いと聞く

２名乗船することを伝えようと声を掛けると、女性が出てこられて

『主人は今、ダムまでタバコを買いに行ってるんです』と

なんとまぁ、のんびりした感覚だな

せっかくなのでビアを１本頂く、って何がせっかくなんだか？

奥さんは、フキを炊いたのでどうぞ、とラッキーなことにアテ着きでプシュッ

薄味で炊かれたフキは瑞々しく美味しい

燦々と零れ落ちる梅雨明けの陽を全身に受け、汗が乾いてゆく感覚を楽しむ

独り船着場で待つ単独さんに悪いな、なんて思いながらもビアはウマイ

『あぁ、船、見えてきました、あと７分くらいですかね』

奥さんがダムの方向を見ながら教えてくれた

さて、じゃ行きましょう

『ヒュッテまでの道はまだ整備されてないかもしれないので注意して下さいね』

腰を上げた私への一言に、またぞろ不安がよぎる

船着場に戻るとダムからボートが戻って来るところだった

関西電力が平ノ小屋に運営を委託している渡し舟、無料で８時から１４時まで２時間間隔で対岸を往復する

私と単独さんの二名を乗船して、ゆっくりと、ゆっくりとボートは流れてゆく

一応乗船名簿があり、氏名、年令、住所を記入しなければならない

青空の下、ポンポンを音を立てて流れるボートに揺られてると

なんだか、遠い遠いところにやって来た感が湧いてくる