こんなにも素晴らしい展望なのに、足は依然重い

やっとＰ２５７８か？

小休止がてら先輩たちのタイムのメモを見る・・・ん？ここまで３時間４５分？

で、私はと言うと・・・なんと50分もプラス！ま、いいか、のんびり行こう、もう稜線に乗ったのだ

森林限界を超え、２３５６辺りから、大きな大きな赤牛が迫ってくる、ゆっくりと、ゆっくりと

その迫り来る姿に圧倒されながら、ヒュッテから6時間

憧れていたピークに立った

スローに歩いたぶん、この大きな山塊を目指して歩いていることを実感出来た

ピーク東面から南方を望むと槍が近い

まさに３６５度北アルプスを眺めることが出来る

今、この瞬間だけ北アルプスは私のものだ！

達成感と展望に、誰も居ないピークで何度もため息ばかり

薬師方向にＰ２３５６を見下ろす

なんて険しい尾根だ・・・やはりここも歩けるようなところじゃないな

と、もう一度薬師見平へ思いを馳せる

さぁ、もう水晶は夕方までに着けばいい、ここで大休止だ

この北アルプスで最も奥深いピークに立ったことで、もう既にやった感に満たされる

槍を見ながらハイマツを越えて降った辺りに、いいカンジの日陰を見つける

ちょっと腰を下ろそうか、行動食を口にしながらハイマツの影に横たわると、いつの間にか眠っていたようだ

一瞬の涼風にブルッと目覚め、時間を確認すると、なんと３０分も寝ていた

オーマイガっ！と一瞬思ったが、赤牛岳で昼寝？そんな優雅なこと、なかなか出来ないぞ

アツくなってた頭もスッキリして歩き始めた