40分もの大休憩の後、いよいよ大キレットに向かう

取り付きであるテラスの先から一歩足を下ろすと、本当にここを降るのか？

今更ながら恐怖心が沸いてくる

見下ろすんじゃない、空を見ろ、澄み渡った穂高ブルーが応援してくれてるぞ

テラスのギャラリーからの視線に見送られて、一歩一歩慎重に降って行く

今のところ足場は固く安定している

鎖、ハシゴを使いどんどん降って行く

左手を見上げると

滝谷ドームだ

岩の墓場とは誰が着けた名だろうか

その圧倒的なまでの岩に魅せられ、命を落としたクライマーたちは幾人いるのだろう

どこまで降るのだろう？と訝りながら正面を仰ぐ

この岩峰を越えるのか？

これが飛騨泣きの峰なのか

遥か遠く、槍の穂先が早く来いと言っている

キレットを歩き始めて最初に振り返ったシーン

滝谷ドーム直下、こんな岩場を降って来たのか？

そして、まだ降りには先があるのか？