青空は、やはり一瞬で消え去り、行く手にはどんどん濃いガスが沸く

小池を回りこんで階段が始まると、この季節に大汗を流し始める

こりゃ、稜線に乗っかると冷えるだろうな

いや、それよりも三俣蓮華から黒部五郎まで、あそこがガスるとヤバいよな

急ごう

10.5ｈで歩ききる目標を忘れてはならない

何が何でも今日中に黒部五郎までたどり着かなければ、今回の山行は失敗となるのだ

鏡平山荘から60分フルにかかって、やっと弓折乗越だ

ここで、前後していた笠ヶ岳へ向かうパーティと分かれる

しばし休憩し、Tシャツを脱いで汗を拭うと風の冷たさに震える

シャツを着替えてウィンドストッパーを羽織って、さぁ行くぞ、ってもたついてると

またまたまたアルイタキオクご夫妻の登場だ、ん？確か山荘でビアを飲んでたはずだ

それなのに追いつかれる？

やっぱアレか？私はそんなに遅いのか？

” シチューとワインもあるよ〜♪ ”

あぁシチューかぁ・・・山でぇ？シチュー？好物なんだよなぁシチュー

あと固めのバケットとワインがあれば、もうもう・・・

あぁもうっ

今回は独り、しっとり、な・の・だっ！

しつこく迫り来るアルイタキオクご夫妻からの悪の勧誘活動をやんわりお断り

さぁ、今度こそ振り切らないと、ご夫妻パーティがテン泊する双六で捕まると、完全に拉致されるに違いない

行くぞ！