本流を詰めながら振り返ると赤木岳

中腹辺りから沢が流れ落ちてるのがはっきりと分かる

黒部川は、周囲の山の数え切れないほどの沢から水を集めているんだな

それにしても、いい姿だ

ふと気付くと対岸に釣り竿を振る独りの姿

声を掛けても流れの音で聞こえないだろう

お邪魔しないよう、そろりそろり歩くよ、身振り手振りでのジェスチャーをする

何を踊ってるんだろう？とか思われやしないだろうか・・・

が、ちゃんと対岸からは笑顔とサムアップが返って来る

これだよ、コミュニケーションさえあれば世の中の諍い事なんて半分は無くなるのだ

祖父沢出合いを過ぎると右岸にはフラットは台地

この辺り祖父平だろうな、なんとも心地良さそうな場所だ

岩を乗り越えて、その台地で少し休憩する

誰もいない草原の中、黒部川の流れる音を聞きながら源流で沸かしたコーヒーを飲む

あるのは、秋の静けさだけ

今回の山行は、祖父沢を詰めて雲ノ平へ、そこから祖父岳経由で三俣山荘へ

とも思っていたのだが、その行程だと時間が足りないような気がした

それに、源流の最初のひとしずくを目指すなら、奥ノ廊下を詰めて行くべきだろう

そう想っていた