奥ノ廊下

そう呼ばれはするが、よく考えると廊下なんて無いよな

なんて想いながら、ずんずん詰めて行くと右岸に岩壁が現れ

やはり廊下の姿もあり嬉しくなってしまう

12時00分

本流をゆっくりと歩き始め3時間、もう鷲羽、祖父岳から三俣への稜線が見え始めた

こんなに早く歩けたのか・・・祖父沢から雲ノ平を周っても良かったな

と、そんなことを考えながら、ふと足元に小さくケルンが積まれてること気がつく

ん？

ケルンの周りには踏み跡があり、それを目で追うと、ガレた涸沢が続いている

これは？祖父岳へ登れるのではないだろうか？

そうすると、雲ノ平を上から見下ろせるよな・・・

魔が差してしまった、気がつくとガレ場を音をたてながら登る自分がいた

−それが、今回の山行を台無しにする一歩になることも知らずに−

穏やかに見えたガレ場は、どんどん険しくなり、やがて垂直の壁

それをハイマツを掴みながら無理矢理登る

あれ、想像と違うよな

でもケルンもあったし、下の方では踏み跡もあったし・・・